Case study

神奈川県立
こども医療センター

患者・家族・医療従事者が快適に
過ごせる環境づくり
新しいNICU・GCUは、窓からの日差しが明るく、フロア全体が見渡せる開放的なつくりで、自然の音を流しています。
医療機器のアラーム音を目立たせず、家族と医療従事者がリラックスして過ごせる環境を目指しました。
神奈川県立 こども医療センター
患者・家族・医療従事者が快適に
過ごせる環境づくり
新しいNICU・GCUは、窓からの日差しが明るく、フロア全体が見渡せる開放的なつくりで、自然の音を流しています。
医療機器のアラーム音を目立たせず、家族と医療従事者がリラックスして過ごせる環境を目指しました。

プロジェクト概要

老朽化に伴う改修計画を設計段階から関わり、お客様自らが設定した「早産や病気とともに生きる赤ちゃんの命を救うだけでなく、その赤ちゃんが加わるご家族全体を支えはじめる場所」という設計コンセプトに沿った、患者と家族の居住性と治療環境の両立を目指しました。

神奈川県立こども医療センター 様

地方独立行政法人神奈川県立病院機構が運営する神奈川県立こども医療センターは、小児病院、肢体不自由児施設および重症心身障害児施設の三つの施設からなり、病気や障害のある小児に医療と福祉を一体として提供する小児総合医療・福祉機関。
http://kcmc.kanagawa-pho.jp/

  • 病床数:430 床
  • NICU:21床
  • MFICU:6床

事例のポイント

自然を感じられる開放的なNICU

自然を感じられる開放的なNICU

今までのNICUは、治療がメインの環境。たくさんの医療機器が空間を圧迫し、ピッピッと流れるアラームの音が、現場に緊張感をもたらしていました。新しいNICU・GCUは、窓からの日差しが明るく、フロア全体が見渡せる開放的なつくりになっています。さらにフロアには、ハイレゾ音響空間:KooNeで、森林に潜む野鳥のさえずりや川のせせらぎなど、自然の音を流しています。医療機器のアラーム音を目立たせず、家族と医療従事者がリラックスして過ごせる空間を目指しました。
ハイレゾ音響空間 KooNe(クーネ)は、株式会社JVCケンウッドの商品です。

お家らしさを感じるベッド周りfor 新生児・家族

お家らしさを感じるベッド周りfor 新生児・家族

赤ちゃんのベッド周りには、家族がお家のような温かみを感じられるように、木目調のメディカルユニットを取り入れました。パーテーションで周りを囲めば、より家族のプライベートな空間をつくることができます。

家族を支援する母児同室 for 新生児・家族

家族を支援する母児同室 for 新生児・家族

母児同室は、入院中から赤ちゃんと家族が24時間一緒に過ごせるお部屋です。家族が医療従事者のサポートを受けながらこれからの育児をイメージして、退院後の生活に移行しやすくなることを目的としています。家族が好きな音楽を聴けるように、指向性スピーカーを導入しました。

お客様の声

PROFILE

豊島 勝昭Toyoshima Katsuaki

神奈川県立こども医療センター
新生児科部長(周産期センター長)

建物を考えることは
未来の医療を考える機会です。

新生児病棟を改修する際に込めた想い・背景は?
新しいNICUは「早産や病気とともに生きる赤ちゃんの命を救うだけでなく、その赤ちゃんが加わるご家族全体を支えはじめる場所」を設計のコンセプトとしました。早産児や病的新生児の救命率は世界有数の日本ですが、一方で病気や障害とともに生きていくことになる赤ちゃんが増えたとも言えます。そこにどう支援の手を届けていくのか。命が助かるからこその課題にいま、私たちは直面しているのだと思います。
今回の改修工事では、集中治療の医療機器だけでなく、家族が長時間子供のそばで過ごせる居住性を意識しました。
改修の過程で印象に残っている提案やエピソードは?
診療しながらの改修工事であるため、工事関係者の方々と日々話す中で、赤ちゃんとご家族のことを考え、最後まで相談し合えたことが良かったです。セントラルユニの皆様には、こちらのビジョンをよく聞いてくださった上で、制約のある改修工事の中でもNICUのベッド環境1つ1つにテーラメイドに対応していただきました。
音環境については、セントラルユニの皆様からのご提案で、JVCケンウッドのハイレゾ音響空間:KooNeを導入しました。旧NICUは、静かな場所にモニターのアラームが時折響くような緊張感があったので、ノイズキャンセラー効果を意識しました。
運用してみてのご感想やエピソードは?
患者家族、医療従事者にとっても旧NICUから大変貌した新NICUで診療をはじめています。集中治療と家族支援の両方を旧NICUでも狭い中でみんなで話し合ってきた文化があり、その文化があったからこそ新NICUで思い切った改修を提案できました。
新NICUができたからこそ、新たな効果や課題を実感し、次の段階に踏み出せたと考えております。建物を考えることは未来の医療を考える機会、未来の医療を実現するために、次の段階に入れる大切なことだと改めて思えています。
「つかう人」の視点から「つくる」ことに参加した感想は?
医療従事者だけで建物を考えると集中治療に特化した建物になる、患者家族の願いを反映して家族支援の場所を作りたいと思いました。ビジョンを医療従事者が伝え、それを工事関係者の方々と共有して具現化できることが、未来の医療をより良くすることにつながると信じています。
医療従事者と患者家族で願いを伝えつつ、ハード面、ソフト面に関わる様々な企業の皆様とコンセプトを実現するために協力することが大切であり、その中心になってくださったセントラルユニの皆様に感謝しています。
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